●興行不振に影響されない映画監督のギャラ、泣くのは投資側(2012/07/17)

中国メディアが、「知名度を上げた映画監督のギャランティーの上昇速度は、芸能人に負けていない」と報道。「この10数年の間で、数十倍の収入を得ている監督たちがいる」、と伝えた。

  例に上がったのは、国際的に活躍中の張芸謀(チャン・イーモウ)監督。2000年に『至福のとき(原題:幸福時光)』を撮影していた時、チャン監督に支払われた金額は30万元(約378万円)だったという。それから02年の『HERO(原題:英雄)』で1000万元(約1億2600万円)になり、梁朝偉(トニー・レオン)や張曼玉(マギー・チャン)ら大物俳優の出演料の額を上回った。さらに08年の北京オリンピックの閉幕式の監修時は2000万元(約2億5200万円)を超え、この12年間で実に60倍以上もギャラが跳ね上がったことになる。

  そして馮小剛(フォン・シャオガン)も侮れない一人。97年『夢の請負人(原題:甲方乙方)』撮影当時、俳優・葛優(グォ・ヨウ)のギャラが60万元(約755万円)で、フォン監督はその半分程度だった。だが契約報酬とは別に売り上げ歩合も加える約束を交わし、最終的には117万元(約1480万円))が懐に。また『女帝[エンペラー](原題:夜宴)』と『戦場のレクイエム(原題:集結号)』のヒットで、1000万元(約1億2600万円)以上の収入を手にしている。その上『唐山大地震 −想い続けた32年−』は6億元(約76億円)もの売り上げを記録し、フォン監督の元には6000万元(約7億5500万円)入ったとされている。ギャラの増え方は、15年間で50数倍になった。一方で中国を代表する俳優となった、グォ・ヨウのギャラは約800万元(約1億60万円)で、フォン監督と比べると伸び率は低い。

  また寧浩(ニン・ハオ)、陸川(ルー・チュアン)、高群書(ガオ・チュンシュー)といった若手監督たちのギャラも、数百万元という高い金額に達しているという。監督の多くは、映画公開前に契約したギャラをしっかりと懐に入れる。その後映画がヒットするかどうかは、ギャラには影響しない。最近の映画監督は、芸能人と同じようにギャラが保障されたており、高リスクを抱える職業ではなくなってきたとされている。プロデューサーを兼任している監督も増えており、その分のギャラもしっかりとキープ。映画が売れなかった場合、つらい思いをするのは投資会社やスポンサーのみ、というのが中国映画界の現状だ。(編集担当:饒波貴子・黄珮君)
(C)サーチナ

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