金色の翼
[第51話]
09/10放送

動けなかったはずの迫田(片岡弘貴)が表情を表せることに驚く一同。迫田は視線で犯人を指摘しようと首を動かす。その視線は槙(高杉瑞穂)の前でも修子(国分佐智子)の前でも止まらなかった…。
その時、セツ(剣幸)が割って入る。

セツは捜査のやり方が強引であると絹子(高嶺ふぶき)に異議を申し立てる。奥寺(黒田アーサー)も全員に容疑がかかっているのなら玻留がいないと抗議した。人権上問題もあるとされ、迫田の指摘は断念される。

修子は迫田を連れて行く杉浦(佐々木勝彦)に声をかける。そして迫田のポケットにメモを忍ばせた。奥寺は修子に近づき「ロケットを置いたことは話さない、僕は味方だ」とささやきかける。

修子と絹子はアトリエで話を始める。修子は絹子に迫田をサンパウロに移したいと願い出る。もちろん療養のために、と。すると絹子は、迫田は話ができない芝居をしていると修子に言い、その理由が犯人に見返りを期待しているからだと修子を追い詰める。

しかし、セツが来たので絹子はその場を出る。自分と槙は修子の味方だというセツ。修子は警察が「迫田は話ができる」と疑っていることをセツに話す。

自室に戻った迫田は、杉浦の目を盗み修子のメモを取り出していた。機敏に動けるのだ。メッセージには「沈黙は金」と書かれていた。

一方、セツは槙に奥寺の会社の乗っ取りを急ぐように指示する。迫田はしゃべれることや迫田がしゃべれば修子を守れないことを槙に伝える。そして修子か槙の兄かのどちらを助けるか決めておくように槙に求める。

その夜、槙の部屋には絹子がいた。絹子は槙の兄のロケットを槙に見せながら、迫田事件の第一容疑者が槙だと話す。黙秘をする槙。絹子は、以前、槙の兄を逮捕する寸前に自分が取り逃がした事を話し、槙と槙の兄、自分のためにも全てを解決したいと訴える。

一方、修子が玖未(上野なつひ)の寝顔の寝顔を見ていると、突然、奥寺がやって来る。奥寺は玖未の出産を認めないと言い、修子もそれに同意をする。すると奥寺は液体の入った小瓶を修子に渡し、玖未を眠らせて病院に運ぶと告げる。液体飲ませること、娘を傷つけた償いに自分と結婚することを求め、拒むなら修子がロケットを置いたことを警察に話すと脅す。奥寺が去った部屋で修子は小瓶を見つめる…。

槙は絹子を呼び出して、5年前に島で兄に会ったことを話す。そしてロケットはそのときに兄から預かったと告げた。絹子は、5年前を調べると飛び出していく。去る前に絹子は、ロケットは槙か、槙に罪を被せようとした誰かが置いたと槙に告げるが、槙は、テラスに行くときに落としたと言い張る。

そこに修子が現れる。修子を心配する槙に、自分が疑われないように心配するように槙に言う。それから、玻留(倉貫牛O)が誰かに復讐に来るので気をつけて欲しいと頼んで、修子は出て行くのだった。


その後、ガレージにいた槙は、玻留に後ろからロープで首を絞められる…。そこへ修子が駆けつけて槙をかばった。「ギャンブルに溺れる玻留が痛い目に会えばいいと考えた」と言って…。すると玻留は「俺を見捨てるのか!」と叫んで飛び出していく。

「なぜ嘘をついて俺を助けた」と槙は修子に聞く。もちろん、裏切り者は修子でも槙でもなかった。修子は「自分を地獄に落とすといった槙を、先に地獄に落とすわけにいかない」と強がる…。修子は「人は恨みや憎しみなどが生きる力になることもある」と言い笑って出て行く。

修子は玖未に子供をおろすように話すが、玖未は話を聞かない。

その夜、セツは槙の兄が島に来た話を確かめに、槙を訪ねる。槙は隠していたことを謝る。槙は自首を勧めるが槙の兄は「確かめたいことがある」と姿を消した。

理生(肘井美佳)の世話でアトリエに泊まっていた玻留は、理生に「姉に捨てられた」と言い「なぜ槙を好きになったのか」尋ねる。理生に「槙を恨まないのか」と聞くと、理生は「一層惨めになるから…」と答える。そこが自分と理生の違いだと呟く玻留だった。

理生がアトリエから出てくると修子がやって来る。修子は理生に協力を頼む。

絹子は玖未に迫田事件のアリバイを確認していた。玖未のアリバイの矛盾を指摘すると「眠い」と話をはぐらかす。そこへ奥寺が来る。

絹子をサロンに呼び出し非難する奥寺。絹子は奥寺にもアリバイがないと指摘し、アリバイ崩しを実証してみせる。怒り出す奥寺に「修子の弱みを握っているでしょう」とも言う。

夜。絹子が槙を訪れる。5年前に槙の兄が島に来たことは分かったが、帰った証拠が見当たらないので、彼は島にいるのではと絹子は話す。

翌朝になり、外でパラシュートが見つかる。奥寺たちは「犯罪者が島に潜入した」とセツを責める。

一方、東京からFAXが届く。なんと送信者は槙の兄・壇からだった。迫田事件に関して自分は無実だ、という文面だ。FAXの文字が兄のものだと判別できない槙。セツは「壇のはずがない。彼は迫田事件を知らない」と絹子に話す。

部屋に戻るセツ。修子はセツの部屋を訪れ、パラシュートは玻留だと打ち明ける。それを聞いたセツは、FAXはいたずらで壇が島に来ていないと断言するが、絹子はとにかく調べてみると部屋を出て行く。

セツは修子に「FAXはあなたのせいか?」と聞く。実は修子もセツの仕業だと疑っていたのだ。お互いに誤解だと分かる。そして壇に罪を着せれば、約束の通り修子を守れると自信を持って告げた。

音楽を聴く迫田に隠れるように修子と槙は話をする。修子は他に聞こえないよう小声で「FAXは修子をかばう槙のやったことか」と尋ねる。「セツに聞いたのか?」と驚く槙。いつしか声は大きくなり、言葉でだけで証拠がない槙よりも紙切れを信じると言った迫田と組みたい、と修子は話す。

その会話を、迫田は聞いていた。動くはずのない手で音量を調節し、2人の会話に聞き耳を立てていたのだ。槙が迫田の所へ戻ると迫田は静かに音楽を聴いていた。

アトリエには玻留がこもっていた。そこへ絹子がやって来た。まだ、絹子を小説家だと思っている玻留に、小説の題材として迫田事件の話を聞かせてほしいと頼む。最初に悲鳴に気づいたのは修子だったのかと尋ねる絹子に玻留は同意する。絹子が出て行くと玖未が来る。泣きじゃくる玖未の話で絹子が刑事だと知った玻留は驚きを隠せない。

その夜、セツが厨房で怪しい人影を目撃する。残された足跡が玻留のものか確かめてほしいとセツは修子に頼む。足跡を見た修子は玻留の足跡ではないと告げる。それを見て修子は槙の兄・壇が島にいると考え始めた…。

修子は、もし兄が見つかったらどうするのかと槙に尋ねた。兄を逃がすなら力を貸すと槙に話す。しかし、槙は兄を逃がす気はないと告げる。修子こそ逃げる力があるのになぜ逃げないのかと聞くと、自分は逃げる場所はない、槙は全然分かっていないと言うのだった。

夜、再び人影を目撃したセツは玄関の外まで追いかけるが、外を見回っていた槙にぶつかってしまう。

翌朝、テラスで左側の足跡が見つかる。すっかり疲れてしまったセツは槙に甘えるようだった。セツは元愛人だった槙の父の面影を槙に重ねていると、静江は修子に話す。

度重なる出来事に理生と杉浦が恒例の月見会を中止すると言い出す。しかしセツは「警察にはすぐに引き取ってもらう」と外へ飛び出してしまう。

テラスにいた迫田に、人影は迫田の仕業ではないのかと尋ねるセツ。しかし、迫田は答えない。セツは、迫田事件の犯人が槙の兄だと証言してほしいと願い出る。そして、修子の名前を出さなければブラジルに帰れるように手配をするし報酬も払うと迫田に持ちかけた。もし従わなければ預かった書類を修子に渡すと脅す、と。すると迫田は反応を示す。セツは一晩だけ待つと伝える。
その様子を修子は見ていた…。

迫田の取引は最善の方法だと修子に告げるセツ。修子には槙と一緒に、早く島を去ってほしいと言い出す。
修子は答えず、理生と槙を引き離す理由がわからないとセツに尋ねる。セツは、槙の父親とは家族ぐるみの付き合いだったと話し、槙と自分の間柄に嫉妬するのは修子が槙を想っている証拠だと言い出す。「理生のことは言わないで」とセツは修子に告げて黙ってしまう。

その夜、杉浦たちが怪しい人影を捕らえるため、再び寝ずの番をする。それぞれが持ち場につく…。

そんな中で、節子の部屋を絹子が訪れる。セツを待つ間、セツの夫の遺影を見ていた絹子をいきなり玻留が襲った。騒ぎに修子や見張りに起きていた槙が駆けつける。玻留を抑える槙と絹子。

修子は落ちて割れてしまった遺影を拾い上げようとして写真の裏に挟んであった銀のロケット気づく。槙の兄が槙に託したものと同形の銀のロケットには槙の兄の写真でなく、知らない女性の写真が入っていた…。振り返ると呆然としたセツが修子を見ていた…。

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09/22 第56話


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09/03 第46話


08/27 第41話


08/20 第36話

キャスト
日ノ原修子 / 国分佐智子(こくぶさちこ)
28歳。日系ブラジル人の大富豪の夫を亡くし300億ドルもの遺産を一人で相続した未亡人。中傷を逃れるように「海と空のホテル」を訪れる。
このことが原因で修子に言い寄って来る者、未亡人である修子の手助けをしたいと名乗り出てくる者は多いが、その誰もが300億ドルという莫大な財産を狙っている。
修子自身もこのことには気付いているのだが、島で出会ったホテルの使用人・槙に引かれて親しくなるが激しい運命のなか2人の関係は次第に壊れいってしまう…。
早くに両親を失い、自らが育ててきた弟・玻留がいる。
吉岡槙 / 高杉瑞穂(たかすぎみずほ)
28歳。絶壁に囲まれたリゾートランドにあるホテル「海と空のホテル」で使用人として働く男。学生時代にはパイロットになる夢を抱いて目指していたが、挫折をしてどん底を味わう。その後、ホテルのオーナー・セツに救われ、ホテルで働くようになる。
そんな槙の目の前に莫大な財産を手にした修子が現れたことで、槙もその財産を狙うことになるが…。

水谷理生 / 肘井美佳(ひじいみか)
25歳。吉岡槙の恋人だが、セツには2人の仲を認めてもらえず別の縁談話を用意されている。断りたいところだが、別居中の父のことで恩義があるセツを裏切れない。セツの姪で若くして「海と空のホテル」のオーナー代行をしている。槙からの提案で、理生も修子の財産を手に入れるための手伝いをすることになる。槙と一緒になることを夢見ているが…。
奥寺麻人 / 黒田アーサー(くろだあーさー)
40歳。祖父から受け継いだ「奥寺商事」を継いで「奥寺インターナショナル」と改名。「ナノテク」「通信事業」など様々な事業に幅広く手を広げ、世界に進出しようとしている。資金調達に苦労している企業社長で「海と空のホテル」の常連客である。
理生に求婚する予定だったが、突如現れた修子の資産と容貌に引かれるが、ホテルのオーナーであるセツに「奥寺の会社の証券を義理の弟に譲る」と脅され、理生と偽装婚約をするのであった。

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