ライフ
[第8話]
職員室に呼び出された椎葉歩(北乃きい)と羽鳥未来(関めぐみ)は、安西愛海(福田沙紀)の父親・大治郎(小野武彦)から愛海をいじめていたと責められる。歩は「何もやっていない」と否定し、平岡正子(酒井美紀)は、「愛海の話だけでは……」というが大治郎は取り合わない。職員室にクラスのみんなが集まってきた。すると愛海は「パパ、もういいよ。私、親にチクッたってまたいじめられちゃうよ」と同情を誘う。権力を持っている大治郎を怒らせてはならないと、教師は無理やり歩と未来に頭を下げさせる。08/25放送
「ふざけんじゃねえよ……。いじめられてるのは愛海じゃない。私なんだよ!」と言い、そして、職員室をのぞいているクラスメイトに「おまえらも同じだよ! 陰でこそこそ言うな!」と叫ぶ。さらに、歩は大治郎にも訴えるが、大治郎は「警察を呼べ!」と騒ぎ立てる。未来や薗田優樹(北条隆博)も歩を応援するが、誰も見て見ぬフリをした。
その後、未来は「よく言ったよ」と歩に笑いかける。それを聞いた歩はようやく落ち着いた笑顔を見せた。
そして教室に戻ると、岩本みどり(末永遥)らは被害者は愛海だと歩を責めるが、未来は「歩はウソをつかない。アンタたちはいえるの? 安西がウソをついてないって……」と強気に出る。
その時、廣瀬倫子(星井七瀬)が震えながら、トイレに走っていった。慌てて追いかけ、何か知ってるの? と聞く歩。そして、かつて倫子にしたことを謝り、「私、嫌われるのが怖かった。でも、やられたからって誰かにやり返そうとなんて思わない。いじめられたくないっていうヒロの気持ちもわかる。でも、ただ、みんなと普通の高校生らしいことがしたかった。ほんとにごめん……」とその場を静かに去った。
その言葉に心動かされた倫子は、「私、マナが怖い……。もうマナのこと信じられない。歩にだけ話すよ、マナの秘密……」と泣きじゃくりながら個室のドアを開ける。と、そこには愛海が立っていて、「あんたも第2の椎葉になりたいみたいね」とつぶやいた。
その夜、歩の家に平岡がイジメの事実を確かめるためにやってきた。母の文子(真矢みき)に知られてはならないと歩は懸命に追い返した。
一方、佐古克己(細田よしひこ)は職員室の戸田和佳絵(瀬戸朝香)のもとに行く。そして愛海とのことは親同士が決めたことだと話し、父親から暴行を受けていること、歩からの嫌がらせがまだ続いているということを涙ながらに話す。「私なら佐古くんの力になれるかも」と戸田は佐古をそっと抱きしめた。
翌日、倫子は学校に行きたくないとベッドにもぐっていたら、愛海が迎えにきた。教室にいても、常に愛海の監視下に置かれ、震えている。歩が話しかけても、ノートにそっと「話しかけないで」と綴るのだった。
倫子がトイレにいったとき、倫子は美紗(中村静香)と里絵(夏目鈴)が愛海が怖いと話していた。倫子はそんな2人に「愛海の秘密を知っているから脅されていて……」と話す。
学校では学年集会が開かれ、岩城正志(矢島健一)から、いじめの被害者は心に大きく傷を負っている。だから、いじめの犯人探しはしないことを告げられ、西高にはいじめは存在しない。それが真実だと言い切った。その被害者というのは、歩ではなく愛海のことだ。そのことに愕然とした歩は「これが学校の答えなんですか。ごまかして嘘ついて、見てみぬフリするんですか。ふざけんな!」と叫び、そのまま体育館を去る。追いかけてきた戸田は「調べはついているのよ。佐古くんにつきまとったり、安西さんに嫌がらせしてたんでしょう」と歩を責めるが、歩は「どうして真実に目を向けようとしないんですか」と言い返す。体育館を出ると、笑顔の佐古が立っていて、「戸田先生はぼくの言うとおりに動いてくれる。頑張ってもムダだと思うけど」というが、「絶対に負けないから」と歩は宣言する。
歩が屋上に行くと、そこに未来がやってきた。「私、少しは期待してたんだよね。学校がかわってくれるんじゃないかって。でも、何もかわってなかった」。すると未来は言った。「どうしてこの学校にこだわるの? こんなちっぽけなところにこだわらなくたっていいんじゃない?」と。そんな未来に歩は、西高に来たかった親友のために、こんなことで負けたくないんだと話す。未来は「大丈夫。歩のやってること、きっと誰かに伝わっているよ」と微笑んだ。
教室では、愛海がみどりらに夏休みに別荘に行こうともちかけた。「旅行、ヒロも一緒にいくよね?」と言われ、倫子が返事をためらっていると、里絵が「マナに脅されているから?」と言ってしまう。愛海に微笑みかけられた倫子は恐怖のあまり教室を飛び出していく。そこに愛海が追いかけてきて、「マナからは逃げられないんだよ」とつぶやく。思わず逃げ出した倫子は屋上まで走っていく。
やってきた倫子はいきなり、屋上の端に立ち。歩はじりじりと近づきながら、「どうしたの? もしかして愛海たちに何かされた? 私、今度は絶対ヒロのこと助けるから……」といい、倫子の手をつかんだ。が、「私、アンタみたいに苛められたくない!」と叫び、歩の手を振りほどいて、そのまま飛び降りてしまう。
それを聞いたクラス中は騒然となっていた。クラスの男子は愛海やみどりたちを責める。が、他のクラスメイトは「うちらのせいじゃないよね……」とつぶやく。そして、クラスの女子の2人組は、倫子や歩がいじめられていたこと、それが全部、愛海のしわざであることを平岡に訴えた。
屋上では歩と薗田と未来がいた。倫子は幸い、骨折だけですんだらしい。「私が無理に聞きだそうとしたから……」という歩に、薗田は「椎葉さんは悪くないよ」という。
その頃、クラスではやっぱり愛海が悪かったんだという話で持ちきりになっていた。みどりだけが「マナは関係ねえよ」というが、ほかのみんなは堅い表情のままだ。
歩が家に帰ると、文子から「誰か飛び降りたっていう噂を聞いたんだけど、その子、いじめられてたの?」と聞かれた。歩は勇気を出し、「私、いじめられてるの。今、学校で戦ってるの」と告白した。
09/15
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キャスト
椎葉歩 / 北乃きい(きたのきい)愛称はアユム。西館高校の1年生。父・母・弟の4人家族だが、父親は単身赴任中。
親友である篠塚夕子と同じ高校に入りたいがために夕子に勉強を教えてもらっていたが、高校受験の結果は歩が合格、夕子が不合格という皮肉なもの。逆上した夕子が投身自殺を図ったという精神的に追い詰められた過去を持つ。
明るく、相手の気持ちを思いやれる優しさがある。勉強は好きではないが真面目。勉強ができる弟に劣等感があり、弟ばかりかわいがる母親に対して寂しさもある。人に嫌われるのが怖かったが、未来と出会い、いじめに立ち向かっていくように。逃げない歩の姿勢は、やがてクラスメートの心を動かしていく。
安西愛海 / 福田沙紀(ふくださき)
愛称はマナ。西高の1年2組。お金持ちのお嬢様で、明るく社交的ではあるが、喜怒哀楽が激しく、思いこみだけで他人を振り回す。常に自分がみんなの一番でなくてはイヤだが、恋人・克己からもらったネックレスを大事にする一面も。
歩に誤解を抱き、いじめ始めるが、やがてそれが楽しくなってしまった。幼い頃から両親が忙しく、自宅でひとりでいたため、「ひとり」ということに恐怖心がある。いつも誰かに構っていてほしいと願う寂しがりや。
佐古克己 / 細田よしひこ(ほそだよしひこ)
西高の1年生で愛海の恋人。
表面上は成績優秀で性格もよく、爽やかな笑顔を振りまいている。しかし、裏ではSM写真を集めており、常にデジカメを持ち歩いている。。
愛海とは親の会社の関係で一応、交際をしているが、実は何とも思っていない。父親に頭の上がらない不満を抱えており、歩をその捌け口にしている。何かと目をかけてくれる教師の戸田をうまく利用することも。穏やかに他人の意見を聞いているようで、実は何も受け入れない。
戸田和佳絵 / 瀬戸朝香(せとあさか)
西高1年2組の担任で、担当教科は英語。
教師になった当初は、生徒から信頼されたいと思っていたが、新人の頃に率先してイジメ問題に取り組み、失敗。保護者や同僚、いじめられた生徒にまで非難され、理想だけではやっていけないと思う。そして、面倒なことは避けたい、ことなかれ主義のサラリーマン教師に。
今では生徒への愛情のカケラもない。副担任の平岡の真っ直ぐさが気に入らず、ついきつく当たってしまう。
羽鳥未来 / 関めぐみ(せきめぐみ)
西高の1年生で、歩の憧れの人。寡黙で知的な美人。自分が他人にどう思われているかなど気にしないため、周りとつるむことはない。言葉はきついが、相手の痛みがわかり、自分にも他人にも厳しい。
病気の父に代わり、バイトで生計を立てているため学校は休みがち。キャバクラ、喫茶店、ポスティングなどかけもちで働いているものの、成績は常にトップクラスの努力家。
歩の手助けをし、後にかけがえのない友達となる。
篠塚夕子 / 大沢あかね(おおさわあかね)
愛称はしーちゃん。歩の中学時代の元・親友。頭が良く、面倒見がよいため落ち込んだ人を見ると励ましてあげるお姉さんタイプだった。自分の弱さを人に見せないので、その分、ストレスを溜めてしまう。
西高に入ることが憧れであり目標で、歩の良き理解者であったが、西高に歩だけ受かってしまったことで、彼女に憎しみを抱き、投身自殺(未遂)をはかる。
廣瀬倫子 / 星井七瀬(ほしいななせ)
岩本みどり / 末永遥(すえながはるか)
宇田里絵 / 夏目鈴(なつめりん)
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