訃報三遊亭円楽=76歳:落語家 「笑点」の元司会者

テレビの人気番組「笑点」(日本テレビ)の司会者を長く務めた落語家の三遊亭円楽(さんゆうていえんらく:本名=吉河寛海:よしかわひろうみ)が29日午前8時15分、肺がんのため東京都中野区内の自宅で死去した。

76歳。葬儀は故人の遺志で近親者と円楽一門で行い、後日お別れ会を開く。喪主は妻の和子。

東京都台東区出身。1955年、六代目三遊亭円生に入門して全生を名乗った。

62年、真打ちに昇進し、五代目円楽を襲名。同世代の立川談志、古今亭志ん朝(2001年死去)、月の家円鏡(現・橘家円蔵)さんと共に「四天王」と呼ばれた。

「笑点」には1966年5月のスタート時から出演。"星の王子さま"を自称し、人気者になったが、落語に専念しようと77年に降板した。

78年、落語協会の真打ち昇進制度をめぐり、当時会長の五代目柳家小さん(02年死去)ら執行部と、前会長の円生らが対立。この「落語協会分裂騒動」の際、円楽は師匠の円生と共に協会を脱退したため、寄席に出演できなくなった。

しかし、円生が79年に亡くなったあとも、円楽一門が落語協会に戻ることはなかった。

一方、82年に急逝した三波伸介の後任司会者として83年に「笑点」に復帰。体調を崩して人工透析を受けていたが、2006年5月まで務めた。

また、85年には私財を投じ、円楽一門のための常設の寄席「若竹」を東京都江東区に開設。しかし興行的に失敗し、89年に閉館した。

07年2月、東京・国立演芸場で「芝浜」を演じた後、第一線からの引退を発表。その後も胃がん、肺がんの手術を受けながら、後進の指導を続けていた。

繊細な芸風で「芝浜」「中村仲蔵」「浜野矩随」などの人情噺を得意とした。

三遊亭鳳楽、好楽さん、円橘さん、楽太郎(来年3月、六代目円楽を襲名)ら、多くの弟子を育てた。(淺川)


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