任侠ヘルパー第1話あらすじ完全版

任侠ヘルパー

[第1話]

07/09放送

若い頃から極道としての人生をひたすら歩んできた隼会翼興業組長・翼彦一（草なぎ剛）。
しかし近頃は、「暴力団追放運動」などの盛り上がりで、以前のような活動ができずに行き詰まり感を感じていた。

ある日、彦一は隼会若頭鷹山組組長・鷹山源助（松平健）に「8代目の告別式の後、話がある」と言われる。

告別式後、彦一のもとにバスがやってくる。
そのバスに乗り込むと、車内には、四方木りこ（黒木メイサ）、二本橋賢吾（宇梶剛士）、黒沢五郎（五十嵐隼士）、鷹山三樹矢（薮宏太）、六車雅人（夕輝壽太）たちが既に乗っていた。全員、隼会のメンバーだ。

彼らを前に、鷹山は「研修を受けてもらう」と言った。

バスが向かった先は、老人介護施設「タイヨウ」。
彦一たちのバスが到着すると、「タイヨウ」のオーナー園崎（大杉漣）、介護福祉士の和泉零次（山本裕典）が待っていた。

源助の言う「研修」とは、介護ヘルパーの研修だったのだ。
源助の命令は絶対だ。彦一たちは、さっそく「タイヨウ」でヘルパーたちと一緒に介護の手伝いを始めるが、全く志のない彼らは、注意されっぱなしだ。彦一も、全くやる気がなさそうだった。

同じ頃、「ハートフルバード」社長の羽鳥晶（夏川結衣）は、忙しい一日を過ごしていた。晶は失敗の多い介護ビジネスを成功させ、全国に提携施設を持つやり手の女社長だ。
彼女の傍らには、いつも秘書の堀井（安田美沙子）と、晶の一人息子・涼太（加藤清史郎）がいた。

元々、極道家業にしか興味のない彦一。
「タイヨウ」の控え室で寝ていると、認知症の老女・チヨ（池内淳子）が彦一の顔を覗き込んだ。驚いて飛び起きる彦一。
チヨは、彦一を自分の息子と勘違いしていた。甲斐甲斐しくもお茶を入れ、「お花見に行こう」と誘うチヨ。
呆れたように部屋を出ようとする彦一に、チヨは「これで何かお食べ」と一万円を握らせた。
すると、彦一は怪しい笑みを浮かべ、お金を受け取って控え室を出て行った。

それからというもの、彦一の態度が変わった。
施設内の老人たちと気さくに話をしたり、息子だと勘違いしているチヨの部屋を訪ねて話をしたりした。

その様子を、りこは訝しげに見ていた。

彦一は、チヨの部屋へ行くと「借金で困っている」「生活に困っている」と言っては、チヨからお金を巻きあげていた。また、老人たちとの会話から個人情報を聞き出し、メモに書き残しては「しっかり稼ぐように」と言っては、子分たちにメモを渡していた。

チヨは自分の貯金を引き出してきては、部屋を訪ねてくる彦一にお金をあげていた。

ある夜、彦一は飲みに行こうとするが、財布を見ると金がない。そこで、お金を無心するためにチヨの部屋を訪ねた。しかし、手元にあったお金を、全部、彦一に渡してしまったため、チヨはお金を持っていなかった。

そこで、彦一はATMのあるコンビニまでチヨを連れていくと、ATMでお金を引き出させようとする。そのコンビニの前のビルには、鷹山組と敵対する暴力団の事務所があった。彦一が事務所の方を見ていると、コンビニの定員に呼ばれる。
店内に入ると、チヨはうずくまって泣いていた。口座は残金不足だった。それがチヨには理解できず、「お金が出てこない」と泣いていたのだ。

その時、暴力団の事務所で不振な動きがあったため、彦一はその場を離れる。
彦一がコンビニに戻ると、チヨの姿は店内にはなかった。

彷徨うチヨを、たまたま通りかかった晶の車が保護した。

チヨが保護されたことを知った「タイヨウ」のオーナー園崎や彦一たちが晶の経営する「ハートフルホーム」に行くと、チヨは錯乱状態で暴れていた。すると「ハートフルホーム」のスタッフたちは、チヨを身体拘束し、別室へと運び去った。

「ぶた箱〔=刑務所〕みたいだな」彦一の言葉に、晶は「現実は甘くないし、私は神様でもない」と言い放つ。さらに「介護とは、理想と一番遠いところにあるもの」と言い放った。

翌日「たいよう」に戻ったチヨは、平常心を取り戻していた。何事もなかったように彦一と接するチヨに、彦一は冷たい。するとチヨは、「たいよう」を脱走してしまった。

チヨは、昨日の夜にお金を引き出そうとしたコンビニにいた。彼女の手には杖と果物ナイフが握られている。
そのコンビニには、たまたま晶の息子・涼太がいた。涼太は、チヨが“昨晩の老女”だと知ると、ずっと様子を見守っていた。

チヨはレジのカウンターの店員に、昨晩、コンビニにいた店員を呼び出してほしいと頼んだ。店員が自分の貯金を持ち去ったと思い込んでいるのだ。しかし、その店員が休みだと知ると、チヨはナイフをレジカウンターに置いて、お店を出て行ってしまう。
涼太は心配になって、チヨの跡をつけた。

チヨは彦一にこずかいをあげたかったのだ。途方にくれて歩いていると、コンビニの向かい側に「サラ金」の看板が…。
チヨが立ち止まってその看板を眺めていると、そこに黒塗りの暴力団の車が入ってくる。

「邪魔だ、どけ！」。

その言葉に腹を立てたチヨは、思わず、車の側面を蹴った。
すると車から降りてきた暴力団の男たちは「車に傷が付いたから金を払え！」とチヨを取り囲む…。

ちょうどその時、彦一がチヨを発見した。男たちに取り囲まれたチヨを彦一が守ろうとする。
彦一は穏便に済ませようとするが、彦一の胸に刻まれた刺青に気づいた男たちは、彦一を別の場所へと連れて行こうとした。

その様子を見ていたりこは、彦一を助けるため、石を片手に男たちへ近づいていく。
すると彦一は、「婆さんを頼む！」と何度も叫び、りこの加勢することを拒んだ。

浜辺で暴力団の男達に袋叩きにされる彦一。
それでも彦一は耐えていた。彦一は、チヨを守り抜いたのだ…。

後日、チヨの息子たちの転居とともに、チヨは別の施設へと移っていく。彦一はチヨから騙し取った金を返していた。りこから借金して…。

そんなある日、「たいよう」に一台の車がやってくる。車から降りてきたのは、晶と堀井、そして息子の涼太だった。

「タイヨウ」が「ハートフルバード」と委託契約をすることになったのだ。
晶と堀井が施設内に消えた後、彦一のところに涼太がやってくる。

「お兄さんは、ヤクザなの？」

涼太は誰にも言わないというと、彦一に「弟子にしてほしい」と頼むのだった…。

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