FIFA、スタジアムに映し出されるリプレイ映像を禁止〔W杯〕

27日に行われたW杯決勝トーナメント1回戦、ドイツ対イングランド戦と、アルゼンチン対メキシコ戦で起きた誤審問題を巡って、FIFAのスポークスマンはスタジアムのリプレイ映像を禁止する姿勢を明らかにした。

27日のドイツ対イングランド戦で、イングランドMFランパードのゴールがゴールラインを割っていたのに認められず、アルゼンチン対メキシコ戦ではアルゼンチンの先制点を挙げたFWカルロス・テベスがオフサイドポジションにいたのに見逃され、判定ミスが大きな議論を呼んだ。

立て続けに起こった重要な誤審問題を受けて、各方面から、FIFAは判定に映像やテクノロジーを導入すべき、との意見が相次いだ。
これだけ大きな影響を及ぼす判定ミスが起きれば当然のことである。
しかし28日、FIFAのスポークスマンはこの件に関する議論を拒否。
そして、テベスのゴールシーンがスタジアムのスクリーンに映し出されたことを批判した。

「テクノロジーや審判人数増加の実験に関しては、IFAB（国際サッカー評議会）が3月に議論をし、ゴールラインを割ったかどうかを判定するテクノロジーに関しては距離を置くことになった。我々が日々の記者会見でそういった議論をすることはないし、私にそれをすることはできない」
「昨夜は試合中に大型スクリーンで議論を呼ぶ場面が映し出された。これはあってはいけないことだ。大型スクリーンでの映像は、組織委員会によるスタッフチームが担当しており、ほとんどのケースでとてもよくやってくれていた。昨夜は明らかなミスだったんだ。今後の試合でチェックしていく」（Goal.comより）

誤審についてはあくまでノーコメントを貫いたFIFA側は、これ以上の言及を拒否。
加えて、審判団による再審の前に判定を巡る騒動が起きることを防ぐためとは言え、
スクリーンに映し出されるリプレイ映像を禁止とする強硬な姿勢は、さらに多くの批判を集めることとなりそうだ。

(2010年6月29日)

その他のSOCCERニュース