俊輔､代表引退 4年後は｢もういい｣

サッカー日本代表のMF中村俊輔(32)=横浜M=が29日､日本代表からの引退を表明した｡
自身最後のW杯と決めていた南ア大会だったが､左足首の捻挫が長引き､本大会前に先発落ち｡
出場時間は1次リーグ第2戦オランダ戦の26分にとどまった。

｢左足首痛が響いた?それも全部実力のうち｡4年後?いや､もういい｡9月に再始動?もういい｡こういう大会でずっとベンチだったのは初めて｡若いわけじゃないから､つらい｡辛いのと悔しいのしか残らない｣(デイリースポーツより)
かつてのファンタジスタ心はもうボロボロだった｡

4月3日･清水戦で左足首をねん挫｡試合勘や体調を取り戻すための期間はなかった｡
5月24日･韓国戦後に先発落ち｡ステロイド注射まで施して復調を期したが､気づけば新たなチームは固まっていた｡
ベンチで先発組を見つるだけのW杯｡日韓大会のメンバー落ちのときを思い出す。

｢02年は選手としては良かったかもしれないけど､人間として､控えとしては難しいというトルシエの判断だった｡あれを今はテストされてるのかな､と｡途中からは切り替えてやった｣

チームのためにと気持ちを抑え､ベンチから先発を支える役割に徹した｡

ハーフタイム中に送った助言は､岡田監督に｢俺より的確｣と言わせた｡
パラグアイ戦でも延長戦前にDF長友､FW岡崎らに声をかけ､水を渡した｡
DF闘莉王は｢成績も含めて一番の選手が励ましてくれたことがここにつながった｣と話した｡

｢(W杯に縁がないのは､)そういうふうにできてるんじゃない｡山あり谷あり｡その方が面白いでしょ､終わったときに｣

｢本田みたいに1トップ､トップ下でやれて､大久保みたいに左右のサイドでやれれば出れたわけだから､受け止めないと｡あとはマリノスで貢献することを考える｣
代表は辞めても､一選手としての人生まで終えるつもりはない｡
新たな思いを胸に､帰国の途に就いた｡

(2010年7月1日)

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