復活の無敵艦隊!! スペインを初の決勝に導いたプジョル･･･って誰!?〔W杯〕

8日未明に行われたW杯準決勝第2試合､ドイツ対スペイン戦は1-0でスペインがドイツを下し､初のW杯決勝進出を決めた｡

｢プジョルがスペインを決勝に連れて行ってくれた｣(MSN産経ニュースより)

大会得点王に最も近い男､ビジャが興奮気味に話す｡
決勝点をスペインにもたらしたのは､チームを最終ラインで支えるDFプジョルだった｡

試合はスコアレスの状態が長らく続いた｡
スペインはその華麗なパスワークを再び手にしたものの､ドイツのゴールに近づけず､時折返される鋭いカウンターを警戒していた｡
そんな膠着(こうちゃく)状態を破ったのは､ビジャでもペドロでもなく､32歳のDFプジョルだった｡
後半28分､スペインのセットプレーからその瞬間は生まれる｡
シャビのCKに飛び込んだプジョルが気迫のこもったヘディングシュートを突き刺した｡
シャビ･アロンソはその瞬間のことをこう話す

｢われわれはペナルティエリアの外に追いやられていた｡そこへプジョルが野生のイノシシのように突進してきてゴールしたんだ｣

試合終了のホイッスルが鳴ると､ベンチの控え選手らが一斉にプジョルの元に駆け寄った｡
膨らむ歓喜の輪から静かに抜け出したプジョルは､1人前線で戦い続けたドイツのFWクローゼと抱き合い､落胆する名FWの健闘を称えた｡

次にプジョルはピッチに崩れ落ちていたシュバインシュタイガーの元に向かった｡
肩に手をかけると､何か声をかける｡誰よりも走った若きMFは差し出された手を掴んで立ち上がった｡

プジョルは決して秀でたスキルを持った選手ではない｡
スペイン代表の中で｢精神的支柱｣と評される､そういうタイプの選手だ｡
不用意な攻撃参加からピンチを招くこともある｡
それでも､相手選手を敬い､味方を鼓舞するプジョルを不要と考える監督もサポーターはいない｡

プジョルの活躍で無敵艦隊の勢いを取り戻したスペインは､オランダとの決勝戦に向けてその絆を強くした｡

(2010年7月8日)

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