蘇れG.G.佐藤!! オリンピックの失敗をバネに頑張る球界の人気者を応援しなおそう!!

本人にとっても、星野仙一(ほしのせんいち=61)監督にとっても、応援していた人たちにとっても、北京五輪は忘れられない大会となった。

しかし、いつまでもこの悔しさを引きずってはいられない。

特に何かとやり玉に挙げられてしまう、埼玉西武ライオンズのG.G.佐藤(じーじー・さとう=30)外野手には、ぜひともペナントレースで、名誉挽回してもらいたいものだ。

そんな中、西武vs楽天(17回戦)で、早速復調の兆しが!

八回一死満塁。

楽天・藤井が放った、定位置やや前への飛球を見事にキャッチ。

しかし、そのキャッチに合わせて三走のフェルナンデスがホームに突っ込むと、狙い済ましたようにワンバウンド返球。

捕手・細川の好ブロックにも助けられ、見事に本塁でフェルナンデスを制し、アウト獲得。

G.G.佐藤のこの好プレーにスタンドの観衆も大歓声をあげた。

「突っ込むと思わなかったですよ。肩が弱いと思われているのかな。大した返球じゃないです。勢いは死んでましたね」と本人は苦笑いを残している。

しかし、1点リードの九回には2度も飛球をキャッチ。

二死満塁の緊迫した場面で、山崎武の飛球を捕ってゲームセット。

G.G.佐藤の好プレーに助けられた西武に嬉しい白星があがった。

「あそこで打球が来るかよ。巡り合わせですかね」と言いながら、全4度の守備で、五輪の悪夢を少しは払拭できたかのような安心感を見せてくれた。

ちなみに、北京五輪で初めてG.G.佐藤という存在を知ったという、ちょっと野球には詳しくない人もいるかもしれないので、ここでこの選手を紹介しておこう。

とはいえ、成績だの普通のプロフィールだのでは面白くないので、G.G.佐藤らしい一面をずばり!

まず登録名の「G.G.」。

この由来は、中学生時代に、同級生から「猫背でしかも顔が“爺”臭い」といわれていたためだ。

元来はお喋り好きな性格で、ユーモラスな言動はもはや名物と言えるほど。

特に、ヒーローインタビューでは「キモティ―――ッ!」と絶叫するパフォーマンスを行うなど、ファンを湧かせるキャラクターの持ち主なのだ。

名言はこれだけではない。

西武入団後初のキャンプの練習で徹底的にしごかれ、「死すら生ぬるい、死あるのみ」とぽつり。

また、捕手から内野手、そして外野手へとだんだん外に向かってコンバートされた時、「スタンドにいかないよう気をつける」とぽつり。

4番に座って2試合目のお立ち台で「4番は強いて言えば、付き合っている彼女に初めて、あなたに出会ってよかったといわれたようなもの。責任感が芽ばえたということです」とぽつり。

1ヶ月ぶりに4番を打ち、サヨナラのボテボテの一塁内野安打を打ってお立ち台に上がったとき、「奇跡、奇跡という言葉は起こすためにある」「所沢の奇跡、ミラクルライオンズ、そしてキモティーーー!」と絶叫。

こうなってくると、もはや、わけがわからないけど。

そして今年、9号2ランを放ったこどもの日。「子供たちよ、夢を現実に。ホームランに夢を乗せて!」

最後に同じく今シーズン12号2ランを放ったその日。

3冠タイトルも視野に入る活躍で記者からタイトルの質問をされ、「30歳を過ぎた独身女性に『結婚しないの?』と聞くのと同じぐらい、それはデリケートな質問です。」と答えた。

真面目なんだか、天然なんだか、計算なんだか、よくわからない名言だらけだけど、なんだかどこか好きになれそうな愛嬌があるでしょう?

今後のG.G.佐藤にこのテンションが戻ってきたら、完全復活と見ていいだろう。

そしてその日は、今の調子からすると、決して遠くはなさそうだ。(古田鉄寿)


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