小室哲哉逮捕のキッカケ!告訴した個人投資家との“愛憎関係

詐欺事件の容疑者として逮捕された小室哲哉(こむろてつや=49)の逮捕のきっかけとなったのは、音楽著作権の譲渡を持ちかけられ、5億円をだまし取られたとする兵庫県内の個人投資家の告訴だった。

投資家が2年以上、告訴を控え、先月になって踏み切ったのはなぜか。

この投資家本人が、産經新聞にコメントを寄せている(以下コメント原文)

私は先月、音楽プロデューサー、小室哲哉氏、木村隆氏らを詐欺罪で大阪地検に告訴しました。

本件犯行が小室氏、木村氏らにより行われたのは平成18年8月でした。 

※2年以上の長期にわたり、刑事告訴を控えた理由

(1)小室氏の音楽を愛した多くの皆様に悲しい思いをさせたくない

小室氏が日本の音楽文化に与えた影響や功績は非常に大きいものです。彼の音楽を聴き触れることにより感動し励まされた多くの音楽ファンの皆様、彼がクリエイトした作品を歌ったアーティストの皆様に悲しい思いをさせたくないという思いから、この間できる限り円満解決の方法を探ってきました。

(2)社会的影響の大きさ

私は現在ソーシャルアントレプレナー(社会起業家)として寄付を募ることなく資金自己負担で国際動物保護活動NGOを主宰しています。また社会奉仕のため公益法人(財団法人)の会長を無報酬で務めております。一方、様々な国際投資による資産運用を行っています。

数年前、小泉改革の中で小泉元首相が「資源を有しない日本が生き残るためには、特許権、著作権をはじめとする知的財産の有効活用しかない」という旨の発言をされており、知的財産の権利、取引の明確化、グローバル化のための法整備が国策として進められています。

沖縄サミットのイメージソングをプロデュースし、国連親善大使を務めた公人、小室哲哉が自らの著作権を材料に詐欺を行い、刑事事件化するということは、関係音楽出版社やタレントプロダクションのみならず広く日本経済全般に影響を与えることになります。

さらに日本が保有する様々な知的財産に対する国際的信用を著しく失墜させるということが想定されました。

これまでの2年間、私はそのような事態は避けたいという思いで、精一杯の慈悲心を持って円満解決の道を探ってきました。         

※なぜ、刑事告訴に踏み切ったか

前述のように、平成18年8月の犯行後、私は民事訴訟も行わず円満解決の道を探っていました。しかし小室氏は私に誠実に対応することはなく、のらりくらりと逃げていました。

そんな中、平成19年11月頃、あろうことか突然小室氏が私に対して民事訴訟を起こしました。

「Aからお金は受け取っていないので小室に債務は一切ない、Aが小室の信頼を失墜させたことにより被った名誉棄損などの被害金額は16億円のうち、一部の1億円を支払え」という、にわかに信じがたい内容でした。

その後、私が反訴原告となり今年に入って私側の主張が100%認められ「小室氏からAに対し9月30日までに6億円と遅延損害金を支払う」という和解がなされました。しかし残念なことに支払期日である9月末までに小室氏から一切お金は支払われませんでした。小室氏は、5人目の弁護士に変え、相変わらずのらりくらりと現実から逃げている状態でした。(この2年間で小室氏は5回弁護士を変えています)

私はこのような状況下、小室氏が現実から逃げてばかりしていても何も終わらないし、なにも始まらない、この状態をこのまま放置しておくのは小室氏らにとって良くないと考えるに至りました。私はこの際、彼らが厳重な司法の裁きを受けることにより、彼らの軽率で誤った行動によって、私を含む多くの人々に悲しい思いをさせたこと、そして日本が保有する知的財産に対する国際的信用を著しく低下失墜させたことに対する罪の深さを認識、反省し、更生してほしいと考えるに至りました。

※小室氏へ

Departures

小室氏の作品にDeparturesという曲がありますが、arrivalという曲は未だありません。

Departureという言葉には「出発」と「背反」という意味があります。arrivalという言葉には「到着」と「新生」という意味があります。

Departure(出発あるいは背反)してしまった小室氏は、いつまでdaydreamを続けていても、それは永遠ではありません。何も終わらないし、何も始まりません。

daydreamは永遠には続かないのです。いつかはしかるべき所にarrival(到着、新生)するしかないのです。

以上、本件告発人のコメントとさせていただきます。

平成20年11月

小室哲哉著作権詐欺事件告訴人A

(淺川)


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