官僚たちの夏
[第4話]
07/26放送

昭和34年=1959年、対米輸出自主規制のおかげで日本の繊維業界は深刻な不況に陥る。
風越(佐藤浩市)は池内(北大路欣也)と対立する大蔵大臣の須藤(長塚京三)に繊維業界救済のための融資を依頼した。

そんな中、GATTの東京総会が開かれた。
そこで日本は各国から貿易自由化勧告を突きつけられる。
池内は玉木(船越英一郎)に繊維産業を自由化するよう要求。
玉木は反対する鮎川(高橋克実)や真(吹石一恵)らを強引に説得する。

風越は玉木を訪ね、その意思が代わらないことを確認。
玉木の敵に回ることを宣言する。

その年の秋、池内の別荘に集まった局長クラスの人間たちの前で、元大蔵事務次官の帝都銀行頭取・山岡(中原丈雄)が、繊維に金を回さないよう密談していた。

通産省内の意見は分かれたまま、総理への報告の時間が迫る。
池内は風越に妥協案を示した。
繊維貿易自由化は3年後に実施、その代わりに繊維業界への金融支援は必ず実現し、必ず日本を豊かで幸せな国にするという。
この意見は強行突破され、池内はこれからもお前が必要だと風越の肩を叩いた。

翌年1月、日米安保条約の調印式が行われる。
一方で、繊維業界では倒産が相次いだ。
風越は須藤に詰め寄るが、池内の圧力で融資がままならないという。

そんな中、風越のもとに記者の西丸(佐野史郎)から情報が持ち込まれる。
政治資金の多くを繊維業界からの寄付に頼る須藤に対し、池内は大蔵省に声をかけて繊維業界への救済融資を最低限に抑えたのだ。
次期総理の座ををめぐる須藤との戦いを有利に進められるためだった。

やがて、総理が全面的な貿易自由化を強引に閣議決定。
3年後までに90%に及ぶ品目の貿易自由化を実施するという。
日米安保の際にアメリカとの密約があったに違いない。
だが、総理は3年後に繊維自由化という通産相の意向に沿ったまでだと言う。

反安保闘争、反権力闘争が日本中を揺るがした。
だが、新安保条約の成立後、総理が辞任したことで急速に収束へ。
7月には池内が新しい内閣総理大臣となった。
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キャスト
風越信吾 / 佐藤浩市(さとうこういち)
通産事務次官。
重工業局自動車課長。
戦後日本を立ち直らせようと使命感に燃えている。
国内産業発展にすべてを注ぐ。

庭野貴久 / 堺雅人(さかいまさと)
鉱山局石油課長補佐。
風越と共に産業派。
優れた行動力と粘り強さを持つ。
鮎川光太郎 / 高橋克実(たかはしかつみ)
国内産業の保護を訴える「産業派」通産省官僚。
中小企業振興課長。
揉め事を解決するのに長けており、「潤滑油」との異名も。
西丸賢治 / 佐野史郎(さのしろう)
東京経済新聞記者。
鋭い批評眼の持ち主。
風越と親密である。

丸尾要 / 西村雅彦(にしむらまさひこ)
重工業局長。
風越の上司。
「国民自動車構想」を推進。

牧順三 / 杉本哲太(すぎもとてった)
特許庁総務課長。
海外の産業についてよく知っている。
山本真 / 吹石一恵(ふきいしかずえ)
東大の経済学部に籍を置いている。
通産省初の女性官僚に。
片山泰介 / 高橋克典(たかはしかつのり)
通商局為替課長補佐。
国際化を目指して自由貿易を理想とする「国際派」通産省官僚。
玉木博文 / 船越英一郎(ふなこしえいいちろう)
通商政策課長。
風越とは同期で、ライバル関係にある。
貿易重視の「通商派」で、風越と対立。
池内信人 / 北大路欣也(きたおおじきんや)
民自党幹事長。
「通商派」の考えを持つ。
官僚の前に立ちはだかる。
御影大樹 / 田中圭(たなかけい)

風越道子 / 床嶋佳子(とこしまよしこ)

風越貴子 / 村川絵梨(むらかわえり)


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