TBS、「風雲!たけし城」に酷似と米テレビ局提訴
(10/08)

TBSは7日、米ABCテレビの番組が、1980年代に放送されたTBSの人気バラエティー「風雲!たけし城」などに酷似しており著作権侵害などに当たるとして、米カリフォルニア州の連邦裁判所に番組の差し止めと損害賠償を求めて提訴した。

賠償額は現段階では未確定。TBSでは「多岐にわたって似ており看過できない」としている。

「スポーツニッポン」よると、TBSが指摘している番組は、ABCが今年6月から毎週火曜日の午後8〜9時に放送していた「Wipeout(ワイプアウト)」。英語では壊滅や全滅の意味で、毎週24人の視聴者が賞金5万ドル(約515万円)を懸けて、屋外に設置されたさまざまなゲームアトラクションに体当たりで挑戦する。視聴率で放送日の全局番組中トップとなるなど、ABCではこの夏最大のヒット番組となっていた。第1シーズンは9月16日に放送を終了したが、第2シーズンの発表がすでに行われている。

TBSは、ビートたけし(びーとたけし=61)が城主に扮し、障害物で構成された各種コースに挑戦者が挑む「風雲!たけし城」のほか、100人の体力、筋肉自慢が巨大障害物コースの制覇に挑戦する単発バラエティー「SASUKE」、「SASUKE」の女性版「KUNOICHI」の3番組にコンセプトや演出方法が酷似していると主張。

「イベントの流れ、障害物コースや撮影方法など多岐にわたって似ており、看過できない」とし、さらに「当社のみならず、創造した価値あるテレビ番組という貴重な財産を守らなければならないという観点から、裁判所による判断を仰ぐのが最善であると判断した」としている。

城主・ビートたけしもスタッフとアイデアを出し合った「風雲!たけし城」は海外でも人気が高く、TBSでは50以上の国にライセンスを販売している。米国では、03年に英語吹き替え版が登場して人気を呼び、「SASUKE」「KUNOICHI」の吹き替え版も好評だ。これらのヒットで、日本で人気の視聴者参加型で巨大障害物に挑戦する番組が米国でブームとなり、米国のテレビショーに影響を与えたといわれている。

パクリやパロディが横行するテレビ業界にあって、TBSの提訴は大きな波紋を呼びそうだ。(松野)


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