本田「リラックスできてますよ」〔W杯〕

日本時間29日、23時00分から行われるW杯決勝トーナメント1回戦で、2大会ぶりの16強入りを果たした日本代表は、強敵パラグアイと対戦する。
ここまで2得点を挙げ、得点ランクでも上位に位置するFW本田圭佑は、チームで勝つためのサッカーをすると誓った。

狙うのは、あくまでチームとしての頂点。
28日の公式練習で決戦の地に現れた本田は、前日まで風に揺れた自慢の金髪を数センチに刈りそろえていた。
「髪はちょっと短くした。リラックスはできてますよ」
断髪で気合を入れた本田は目前に迫るパラグアイ戦について次のように話した。
「パラグアイは南米らしくテクニックがあって、ハードワークしてくる。やっかいな相手。日本史上初の8強?それは僕にはあまり関係ない。負けずに走って日本のいいところを出して勝ちたい」

現在2得点で、世界のストライカーに交じりトップと2点差。
それでも、個人のエゴは全く見せずに、チームのために自分の役割を果たす。
もちろん、チャンスがあればゴールを狙う姿勢に変わりはない。
ただ、完全に封じられたオランダ戦後に「このレベルの相手だとまだ通用しない」と話した通り、
世界のトップレベルの守備に、自分1人の力が通用するとは思ってはいない。
だからこそ、最前線で相手DFを引き付け、チャンスを呼び寄せる役に徹するのだ。

インパクトのある2ゴールに隠れてはいるが、1次リーグの総運動量ではＭＦ遠藤に次ぐ、チーム2位の32･489キロを走破。
ファウルを受けた数でも全選手トップの17回と、体を張ったプレーが際立つ。
DF長友は「圭佑が前線でボールキープしてくれるから、チームが活性化してる」と話す。
日本代表の快進撃と本田の粘りのプレーは切っても切れない関係にあると言えるだろう。

勝てば日本初の8強入りを果たせる。
しかしそこはゴールではない。チームは、本田は、さらにその先を見据えている。
どんなに泥臭くても、最後の最後まで諦めない。

(2010年6月29日)

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