セレブと貧乏太郎
[第7話]
11/25放送

アリス(上戸彩)と後藤田(柏原崇)が付き合っていた頃、よく訪れた思い出のレストランで偶然にも再開した2人。後藤田の肩にもたれかかるアリス――その様子はまるで恋人同士のようだった。
そんな場面を目撃した太郎(上地雄輔)だったが、2人の関係は理解できない。

一方、アリスの継母・真紀子(若村麻由美)は美田園グループの全てを自分の勢力下に収めようとしていたが、アリスだけが目障りだった。
真紀子は後藤田とアリスを婚約、そして結婚させて、自分の傘下に置こうとしたが、後藤田とアリスの婚約がなかなか成立しないことに苛立ちを覚えていた。

同じ頃、街の食堂『だるま』の主人・啓一(山下真司)は、娘・幸子(国仲涼子)の将来を心配していた。そこで、娘の結婚相手を探そうと密かに考え始める…。世間では“イケメン結婚詐欺師”がニュースで話題になっていたが、啓一は知らなかった。

そんなある日、アリスのところに編集者(トータルテンボス)がやってくる。何でも、1年前にアリスが自伝の出版を契約してそうなのだ。「原稿は用意してある」という編集者の言葉に、「サインをするだけなら…」と承諾する。ところが原稿に真紀子の意図が働いていることを知ったアリスは、自分で執筆することを宣言してしまう。

ところが原稿執筆がなかなか進まない。見かねた郡司(風間杜夫)が世界中のセレブ御用達の凄腕ゴーストライター“ニシヤマ”とアポを取ってきた。

ゴーストライター・ニシヤマと会うために太郎を伴って、待ち合わせ場所であるホテルのロビーへと向かったアリスは、ロビーで「啓一の財産」といったメモ書きを読んでいた“ニシヤマ”をゴーストライター・ニシヤマだと思い込み、「自伝を書くよう」命令し、強引に連行してしまう。

一方、アリス達が去ったホテルのロビーで、食堂『だるま屋』の主人・啓一も、“ニシヤマ”を名乗る年配の男と話をはじめた…。

じつは、アリスと啓一は“ニシヤマ”間違いをしてしまったのだ。確かに、2人とも“ニシヤマ”を名乗っていた。しかし、アリスが連れて行った“ニシヤマ”は、イケメン結婚詐欺師、・東郷十三(姜暢雄)だった。じつは、娘・幸子の結婚相談に訪れた啓一をひっかけるため、このホテルのロビーで待ち合わせをしていたのだ。“ニシヤマ”を名乗ったのが偶然だった。
そして、啓一と話をはじめた“ニシヤマ”こそ、自伝を依頼した凄腕ゴーストライター・仁志山達夫(佐戸井けん太)だったのだ。

そんなこととは知らないアリスは、自伝執筆を強要する。アリスの話しを聞いていた東郷は、“取材費用”に用意された1億円を持って逃げてしまうことを計画する。
原稿の執筆作業は、なぜか佐藤家で行うことになった。東郷はさっさと大金を奪って逃走したかったが、逃げ出すチャンスをつかめない。困った東郷は逃走を図る目的で、“後藤田を調査する”と申し出た。しかし太郎がピッタリと張り付いて離れない。太郎は、後藤田とアリスの関係が気になってしかたがなかったのだ。

初めから後藤田の調査などする気がなかった東郷は、調査を始めてすぐに放り出してしまう。それでもアリスのファンなどに会って、アリスと後藤田の関係を調べる太郎は、2人の“5年前の出来事”にたどり着く。それは真っ赤なデマだったが太郎は信じてしまった。怒った太郎は後藤田を問い詰めるが、そんな太郎に後藤田は真実を語らなかった。

一方、凄腕ゴーストライター・仁志山も自分の素性を明かせないまま、食堂『だるま食堂』にいた。そのうち、下町の温かみが心地よくなったのか、ずるずると居候するようになる…。

太郎が自宅に帰ると、東郷はアリスに縛られて執筆を強要させられていた。アリスにどこに行っていたか聞かれた太郎は、つい、後藤田のことを口にしてしまう。すると急に怒り出すアリス…。そんなアリスに太郎は、勢いで“アリスが後藤田に寄り添っていたこと”を喋ってしまう。それを聞いたアリスは、ますますムキになり、しまいには佐藤家を飛び出してしまう。

アリスがふらふらと町内を歩いていると、幸子と出会う。会話をしているうちに、太郎と亡くなってしまった妻との関係の話へと発展した。幸子の話に耳を傾けているうちに、アリスは“太郎の温かさ”を感じるようになる…。

原稿の締め切り日が明日に迫った。そんななか、なんと本物の“ニシヤマ”である仁志山から電話が入る。なんと、自叙伝の話をキャンセルしたいというのだ。彼が言うには、食堂『だるま』に居候しているうちに下町人情に深い感動を覚え、小説を書きたくなってしまったらしい。

電話の後、仁志山は食堂『だるま』と仲間たちをテーマにした“下町をテーマ”に完成させた小説の原稿を『だるま』に残して立ち去ってしまう。

一方、東郷も佐藤家から姿を消していた。アタッシュケースの一億円は佐藤家に置いたままだった。さらに“アリスの自伝”が置かれていた。どうやら東郷が執筆して置いていったらしい…。

仁志山が書いた小説も、東郷が書いたアリスの自叙伝も、同時に出版され大ヒットする。

ところが発売された自叙伝を読んだアリスは怒り出す。なんと、“自分の一番の存在が、太郎”であるかのように書かれていたのだ。アリスは事前に原稿をチェックしなかったのだ…。

アリスの自叙伝を読んで怒りを覚えた人物はもう1人いた。アリスの継母・真紀子だ。アリスの自叙伝のなかで自分の事がたった“1行”しか書かれていないことに腹を立てた真紀子は、自らの手で、アリスを苦しめる計画を実行に移すことを決意する…。

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キャスト
平田アリス / 上戸彩(うえとあや)
多くの人が注目する“和製パリス・ヒルトン”それがこの平田アリスである。
父は世界のホテル王、母は女優として活躍している超一流一家。
超セレブの彼女は、何不自由ない環境で育ったため“我慢”という言葉を知らない。当然世間からは遠くかけ離れた生活を送っていた。
そうなれば当然彼女の周りにはパパラッチが集まる。その目的はもちろん男関係。
スポーツ選手に歌手や俳優。更には大物政治家まで彼女の周りでは男の噂が絶えなかった。
そんな彼女に対してもちろん世間の一部から批判の声が上がるのだが、あまりにも住む世界が違いすぎて、世間の大半は彼女のことを好意的に受け入れていた。
佐藤太郎 / 上地雄輔(かみじゆうすけ)
古びた一軒屋で3人の子供たちと暮らすスーパー貧乏な男。
6年前に愛する妻を亡くしてからというもの、子供たちには不自由な想いはさせられないとなんとか食いつなぐ毎日を送っていた。
仕事には就いているものの、年収が200万を下回る“ワーキングプア”で、子供3人を一度に面倒見るのはなかなか厳しいものがあった。
しかし、そんな状況ではありながらも人一倍ポジティブな彼の性格で決して暗い表情を見せることはなかった。
そんな彼があるキッカケで“和製パリスヒルトン”と出会うことになり…。
安田幸子 / 国仲涼子(くになかりょうこ)
太郎とは幼なじみ女性で、亡くなった太郎の妻・優希と共に、当時野球部のマネージャーを務めていた。
昔から太郎のことが好きだったが、優希も太郎に想いを寄せていることを知り、恋愛に奥手な彼女は自ら身を引いたという過去がある。
もちろんこのことは太郎に知られていない。
現在は、デザイナーになる夢を持って『ラブ・アリス』の派遣社員として働いている。
後藤田司 / 柏原崇(かしわばらたかし)
イケメンで周りからの人気が高い起業家の男。ルックスだけでなく仕事もバリバリこなすデキル男。
アリスの元カレである。
現在はニューヨークを本拠とする会社の社長を務めているのだが、ある目的を持って今回日本に帰国してきた。
大野緑 / 三浦理恵子(みうらりえこ)
アリス専属のホテルで彼女の世話係として働いている女性。
ミスが多くしょっちゅうアリスに怒られている。
しかし、長年この仕事をしている為、アリスのことは誰よりもよく知っており、時に良き相談相手としても活躍する。
公文晃 / 宅間孝行(たくまたかゆき)
アリスに張り付く正体不明のパパラッチ。
後藤田とアリスの熱愛スクープもこの男によるものである。
その後もアリスにやたらと張り付いており、何か大きな秘密を握っているかもしれない…。
坂本丈二 / 田村裕(たむらひろし)
太郎の幼なじみで中学時代は2人で野球部に所属していた。
両親が蒸発したのをきっかけに中退。それからは家業の鮮魚店を営み生計を立て、弟の面倒をみている。
どんなに大変な家庭環境でも決して笑顔を忘れないみんなの人気者である。
太郎は彼を訪ねては悩み事の相談ばかりしている。
江原まなみ / 中山恵(なかやまめぐみ)
『ラブ・アリス』で正社員として働いている女性。
なんとかアリスにデザイナーとして認めてもらおうと一生懸命に働いている。
しかしそのほとんどが空回りで落ち込んでばかりな彼女である。
市井静 / 上野なつひ(うえのなつひ)
『ラブ・アリス』で正社員として働いている女性。アリスと同様に、昔から育ちも、何をさせてもしっかりさが伝わってくる魅力ある女性である。
美田園真紀子 / 若村麻由美(わかむらまゆみ)
アリスの実母が亡くなった後、後妻として美田園家に入った女性。
生まれ持った美貌とビジネスセンスを駆使して現在では絶対的な地位を築いている。
そんな彼女が支配欲も人一倍強い為、同じグループ内でアリスが自由奔放にビジネスをしていることが気に入らない。
そんな彼女はある計画を持っている…。
安田啓一 / 山下真司(やましたしんじ)
幸子の父で大衆食堂『だるま』を経営している。
優希が亡くなってからは、佐藤家の世話をよく見てくれている。
普段は無口で怖そうな男性だが、いざという時は頼りになり、太郎の兄貴的存在である。
彼の一人娘である幸子が太郎に恋心を抱いていることはしっているのだが、どう手助けしてやればいいか分からない。
郡司康夫 / 風間杜夫(かざまもりお)
アリスの秘書として働いている男。
アリスが生まれて間もない頃から、彼女の世話や教育をしている。
自由気ままなアリスに手を焼きながらも、実の父親以上に彼女のことを気にかけている。

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