中野剛志が「とくダネ」で憤るほど激論したTPP問題! その一部始終を公開!
TPP(環太平洋経済連携協定)を巡って、日本経済が大きく揺れている。
もし日本がTPPに同意した場合、協定国間における貿易の関税を撤廃し、アメリカやシンガポール・ブルネイ・チリ・ニュージーランド他協定国と自由貿易を行うことになる。

10月27日に放送されたフジテレビ系『とくダネ!』は、1996年から経済産業省に入省し現在都大学准教授も務める中野剛志氏をゲストに招いて、TPPの問題点について議論した。

中野剛志は小倉智昭から「一番の問題点は?」と訊かれ「TPPのデメリットを報じないマスメディアです。」と登場早々番組やマスコミ全般に釘を差し、スタジオに緊張感が充満。
小倉智昭も彼の空気に飲まれ「そうですか。」とのみ述べてすぐさま別の解説者に話を回した。

笠井信輔アナウンサーは、TPPのメリットを「工業製品の輸出拡大」、デメリットを「第一次産業(農業・漁業etc.)の衰退」だと説明した。
ここでまたも中野剛志が苦言を呈する。
協定加盟交渉国間のGDP(国内総生産)を比較すると、アメリカは世界第1位で約1,465兆円、日本は約545兆円(2010年時点)であり、オーストラリアは13位で約123兆円、シンガポールなどその他7ヶ国を合わせてやっとオーストラリアに並ぶ程度しかない。

GDPは一国の経済力を示す指標と考えれば、TPPは実質上アメリカが優位に進めていくのは当然で、オバマ大統領が宣言した「輸出倍増計画」のターゲットが日本になるのも明らかなのだ。

日本の第一次産業はGDP全体の1.5%しかない。」という前原誠司元大臣の発言や、「TPP参加でGDPが2.7兆円増加する」という内閣府の試算を取り上げた笠井信輔であったが、中野剛志は「じゃあ0.5%ぐらいしか無い東北被災地の第一次産業を見捨てるんですか?」「この発言を震災後撤回しましたか? してないじゃないか!」と鋭く指摘。

さらに、自由貿易を推進するといっても、日本は円高の昨今工場そのものをアメリカに設立している。
日本で生産した製品でなければ関税はかからないので、関税撤廃自体、もはや意味のない話。
フジテレビ解説委員がGDPについて説明した時も、「試算見込みの2.7兆円って10年間の累積ですよね。どこにも書いてないじゃないか!」と視聴者を誤解させる表示をしていることに憤りを見せた。
怒鳴り散らした後はペンをテーブルに叩きつけ、リした表情を浮かべていた。

日本史を習ったことがある人なら、関税自主権の回復、という言葉を聞いたことがあるだろう。
1911年、小村寿太郎アメリカ等列強国と平等条約を結び、幕末以来50年以上経過してようやく関税自主権を回復させた。

それから丸一世紀が経過して、歴史を逆戻りしようとしているのだから、中野剛志が政府に呆れて声を荒げるのも無理はない。
『とくダネ!』の出演者もおそらく知識をさほど深めていない状態で中野剛志を招いて議論を行ったため、所々彼の逆鱗に触れてしまったと思われる。

11月10日過ぎに控えるAPEC首脳会議までに、日本政府は答えを出す必要がある。
中野剛志の主張からすればまるでメリットは皆無に等しいTPP参加問題。野田首相の決断に注目が集まる。
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